②: 江崎グリコ
大手菓子メーカーの江崎グリコに現在投資しており、2023年12月期株主総会で株主提案を実施しました。
私たちは、「ポッキー」「プリッツ」「ビスコ」などの菓子に加え、「ジャイアントコーン」「パピコ」などアイスクリームでも有名な江崎グリコに投資しています。
江崎グリコは、日本のチョコレート菓子市場で第4位、冷菓市場では第2位のシェアを持つ大手菓子メーカーです。
私たちは、江崎グリコが国内大手の菓子メーカーで高いシェアを持っていることに加え、「ポッキー」や「プリッツ」が米国や中国でも知名度が高く、高い利益率を誇っていることに注目しています。
メジャーな競争相手がいる中で、日本だけでなく海外でも通用するチョコレート菓子のブランドは珍しく、江崎グリコのビジネスの強さを表しています。直近では、全営業利益の約半分を海外事業から得ており海外での成長の恩恵を受けています。
日本でも「ポッキー」や「プリッツ」は誰でも知っているロングセラーのブランドで、国内の菓子事業では安定した業績を確保しています。
このような世界的なブランドを持つ優良なビジネスでありながら、江崎グリコのPBRは1倍程度であり、同業の大手菓子メーカーと比較しても市場からの評価が低い状況が継続しています。
よって、私たちは江崎グリコの株価は割安であると判断し投資を開始しました。
投資を開始してから対話を継続する中で、
私たちは2024年3月開催の2023年12月期定時株主総会で株主提案を実施しました。
株主提案では以下の議題を提案しました。
①東証要請の開示を求める定款変更
②自己株式取得などの決定機関を株主総会でも可能とする定款変更
③自己株式取得
④譲渡制限付株式報酬の拡充
結果、
①の提案では賛成率 30.1%
②の提案では賛成率 42.9%
江崎グリコのROEは過去5年間平均で5%台であり、直近で現預金が600億円以上あります。
私たちは、このリターンを生むことのない過剰な現金資産の保有がROE低下の要因となっていると考えています。そこで、株主還元をさらに拡充しROEの向上を目指すべきと考え、自己株式取得の提案を実施しました。さらに、プライム上場企業として中長期的な企業価値向上に基づく開示の拡充のため、東証が要請している「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に基づく開示の提案を実施しました。
私たちの株主提案は否決されたものの、当時私たちの保有比率は5%以下であったにも関わらず
幅広い株主からの賛同を得られたことはとても喜ばしいことだと感じております。
江崎グリコという素晴らしい会社の企業価値が向上し、株式市場から適正に評価されることを目指し、私たちは株主として江崎グリコと対話を継続していきます。
私たちの江崎グリコに対しての取り組みは、日経新聞に紹介されました。
記事はこちら:webreprint.nikkei.co.jp/r/7B2666A0665B4DF6B5A78FF14D1ACAD5/